Strange Strain Storage.

なんとなくゆるく復活

暗示の外に出ろ、俺たちには未来がある。




 





 ウルトラバロック・デプログラマー
 個人的に今年の大本命がコレです。
 もう単行本化を本当に待ちわびておりましたよ、ほんとに。
 いや、自分が浅田寅ヲ信者だからかもしれないけれど。


 いとうせいこうの名作「解体屋外伝」(*1)を浅田寅ヲが現代風に脚色しコミック化。洗脳外しのプロである解体屋(デプログラマー)の活躍を描く。シグルイとまではいかないものの脚色がなかなか大胆で、中盤からはほぼオリジナル。解体屋の意識の中にもう一人の自分的な人物を配しているところもポイント。原作では相手の洗脳の解体の仕方について、外見を司る操作者・相手の意識に潜り込む戦闘者・指示を出すコンピュータの3つに自己を分割するという描写がされているが、解体屋の意識の中にいる人物は果たしてこの中のどれかなのか、はたまたまったく別なものなのか、次巻以降が気になるところ。


 浅田寅ヲの絵や構図ってすごく斬新で、読みなれてないとけっこうわかりづらいと思うので、原作を読んでいると要素や用語がわかって読みやすいかもしれない。でも、この浅田寅ヲの独特の世界観が「解体屋外伝」にはすごく似合ってる気がするのです。これは今後の展開如何ではものすごい良作になるかもしれない。


 そして何より装丁が綺麗過ぎる。あえて帯を廃し、帯文などの文字ではなくデザインそのもので目を引く表紙にやられてしまいましたよ私は。ちなみにデザイナーは「ステュディオ・パラボリカ」のミルキィ・イソベ氏。これはもうコンセプトが一貫しているというか、すごいこだわり様。



 とにかく一読あれ。本当はポップでも飾って大プッシュしたいのだけれど、バイト先の入荷1ケタだったからな・・・。嗚呼マイナー故の悲しさよ。認められるのは大変なことなのですね。


 しかし、ヤングガンガンには勿体無いよな・・・この作品。雑誌の読者層がこの作品の意図している層と違っている気がしなくもないので、ちゃんと打ち切られずに続くかどうかが心配だったり。








 

*1:ブコフで見つけたらぜひ買って欲しい、これは本当に名作、読んで損はないから。