Strange Strain Storage.

なんとなくゆるく復活

ひとこと

文藝春秋を買ってきた。理由はやはり芥川賞受賞作品が全文掲載されているからなのだが、そのまえに選評を読んでいて石原慎太郎のコメントに腹が立った。石原は殆どの作品が現代的な言葉で書かれていることに対して批判し、「今回の選考は猛暑の故の夏枯れとしかいいようがない」と酷評している。つまり「選ぶべき作品がない」と遠まわしに言っているのだろう。特に舞城王太郎の「好き好き大好き超愛してる。」に対しては「題名からしてうんざり」と選考人をやる人間とは思えない発言。他に取り上げた作品に対しても文句しか書いていない。まぁ石原慎太郎らしいといったらそれまでだし、石原自体は嫌いではないけど、しかしこんな人が選考人なのが私はとても許せないことだと思ったのは確か。たしかに昔があるからこその今だから、現代語で書かれていることについて批判することに対してどうこう言う気はないが、しかし批判するだけというのは選考人としてどうだろうか。いちおう選考人なのだったら、その「ダメな作品」の中からでもその作品や作者の良い点を見つけ、悪い点が多かろうとそれと並行して良い点を評価するのが普通ではないだろうか。それを題名を見るだけでこき下ろし、「現代語」という表面を見るだけで良い点を見出せないようでは選考人失格だと思う。

そんな石原がいちばん嫌っていた「好き好き大好き超愛してる。」がとても読みたくなってきた。ほんとは舞城王太郎あまり好きじゃないんだけれど、ちょっとおもしろそうだから。酷評の多かった中でも山田詠美池澤夏樹はこの作品を推していたし。金に余裕ができたら買いに行くことにしようかな。その前にせっかく文春買ってきたんだから、受賞作の「介護入門」を読まなくては・・・


それにしても、池澤夏樹池澤春菜の父親だったとは、、、知らなかった。