はばたく蝶は正義の味方の夢を見るか。

　桑島法子ももう三十路か･･･。ラジオで「25歳になりました！」とか言ってた頃が懐かしい。

　たまたまツタヤに行く機会ができたので、前々から観たいと思っていた「バタフライ・エフェクト」のDVDをかりてきた。

　『バタフライ・エフェクト』とは、「蝶のはばたきが、地球の反対側で竜巻を引き起こす」という、カオス理論を表す言葉で、要はちょっとした条件の違いが大きな差を引き起こす、という意味。主人公・エヴァンは時々記憶喪失を起こす症状に悩まされていて、それにより幼なじみたちとの関係に亀裂が生じて町を離れることになるのだが、その原因となる場面の記憶がないために苦悩することに。しかし、大学生となり心理学を学び始めたエヴァンは、幼少の頃から書き貯めていた日記を読み返すうちに、意識が日記に書かれているその瞬間に引き戻され、そして過去の間違った選択を修正することができるようになる。ところが、好きだった幼なじみのケイリーのために起こしたその行動が、まさに「バタフライ・エフェクト」の名のごとく、思わぬところに余波を起こす。その度に過去の日記を読み漁り、過去を修正していくエヴァンだが、未来はその都度残酷な運命へと変わってゆくのであった。二度と元に戻れることはなく、何度も絶望感を味わうだけのこの行動に、エヴァンの取った最後の行動とは･･･（*1）。

　とにかく脚本が綿密すぎるくらいにきっちりと作りこまれている。序盤は虫食いだらけで謎ばかり残るが、過去の大きな事件の記憶がひとつひとつ戻るたびに、その穴が埋まっていき、同時にそれに影響されて未来が変わる。残酷で悲しいながらも、本当の愛を感じさせる作品でした。

　ところがこの映画、もうひとつの「真のエンディング」が存在するらしい。それはセルDVDの特典ディスクに収録されているディレクターズカット版でのみ見ることができるもので、劇場公開版もきちんと完結していながらも、その真のエンディングを見ることによってすべてが明らかになる、というものなんだそうな。